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人事労務の法律教室-84
~コロナ禍で保育園が休園になった子供をもつ従業員の休業~

パート従業員の子供が通う保育園が新型コロナ感染拡大防止のために一時的に休園となりました。そのパート従業員から子供を世話するためにコロナ特別の有休休暇が欲しいとの請求がありましたが、そのように対応すればよいでしょうか?

新型コロナ感染症のオミクロン株の感染拡大防止のために小学校、幼稚園、保育園などが一時的に休校・休園する場合があります。そのために対象となる子をもつ親である従業員が仕事を休まざるを得ないとき、会社としてそのような対応をすべきなのかという相談が多くあります。
小学校等(幼稚園や保育所を含む)の登校・登園の自粛要請や臨時休業を理由とする従業員からの欠勤申し出に対しては、就業規則などに特別有給休暇を付与する旨の定めのない限りは、ノーワーク・ノーペイの原則に従い、賃金を支払わなくとも違法となりません。その欠勤には事業主責任もありませんので、労働基準法第26条に基づく休業手当(平均賃金の6割以上)の支払いも必要ありません。また、育児休業法では、小学校就学前の子を養育する労働者について子の看護休暇(5日、2人以上は10日)を定めていますが、子の看護休暇は「負傷し、又は疾病にかかった子の世話又は疾病の予防(予防接種又は健康診断を受けること)」のための休暇(原則:無給)です。小学校等の登校・登園の自粛や臨時休業によるものは対象とはならず、それを理由とした請求にも応ずる必要はありません。

したがって、このような事由による従業員の欠勤への対応は、欠勤か、または労働基準法の年次有給休暇の残日数がある従業員については、年次有給休暇の取得を選択してもらうことで、差し支えありません。

なお、厚生労働省では新型コロナ感染症の感染拡大防止を目的とした休校・休園などで子どもの世話のために会社を休まざるを得ない労働者に対し、会社として、労働基準法上の年次有給休暇とは別に、賃金の全額を支払う特別有休休暇制度を設けた場合(就業規則などが整備されていない場合でも、要件に該当する休暇を付与した場合は対象)は助成金(小学校休業等対応助成金)を支給することとしてます。具体的には、新型コロナ対応の特別有給休暇を取得した対象労働者に支払った賃金相当額の10/10が事業主に支給されます(令和4年1月~2月に取得した休暇:日額上限11,000円、3月は9,000円)。申請の対象期間中に緊急事態宣言、万円防止等重点措置の対象地域に事業所がある企業は、日額15,000円が上限となります。対象労働者1人につき、対象労働者の日額換算賃金額×有給休暇の日数で算出した合計額が支給されます。

なお、前述の育児休業法に基づく子の看護休暇(対象年齢・日数は法定相当)を有休とした場合も助成金の対象となります。

本助成金の申請は事業主が行うこととなります。対象労働者からこの助成金の活用を前提とした有給休暇制度を設けてもらいたいなどの申し出があり、会社がそれに応じない場合は、労働者が都道府県労働局「小学校休業等対応助成金に関する特別相談窓口」に相談することができ、相談を受けた各都道府県労働局から会社に対して制度活用の働きかけがなされることになります。したがって、この制度を設けるか否か、対象となる労働者が見込まれるか否かを事前に検討しておくことも必要です。

なお、労働局からの本助成金の関する会社への働きかけに対して、会社が応じない場合、労働者(大企業に雇用される場合はシフト制労働者等に限られる)が直接申請することになります。その場合には、会社として、労働者の直接申請にあたり、申請書の事業種記載欄の記入などの協力が必要となります。

○今月のポイント!
  • 特に定めのない限りは、賃金を支払わなくでも違法ではない。
  • 特別有給休暇制度を設けた場合は、小学校休業当対応助成金を活用できる。
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