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スッキリわかる社会保険 ~パートの社会保険、労使合意で適用したら、もう脱退できない?~

中小企業でも労使で合意すればパートタイマーに社会保険を適用できるようになったと聞きました。当社では社会保険に加入を希望するパートタイマーが多いため現在前向きに検討中ですが、一度適用されると会社の業績が悪化したときでももう辞めることはできないのかという点が心配です。

500人以下の企業の場合、従業員の2分の1以上 と事業主で合意すればパートタイマーに社会保険を適用できるようになります。また、状況が変わって脱退したくなったときは従業員の4分の3以上 の同意を得れば脱退(パートタイマーに社会保険を適用しない)が可能です。

○4分の3基準を満たすパートは企業規模に関わらず適用

正社員に比べて労働時間の少ないパートタイマーでも、原則として次の基準を満たす人は企業規模に関わらず社会保険に加入しなければなりません。

週の所定労働時間および月の所定労働日数が通常労働者の4分の3以上

例えば、正社員が週40時間、月20日の所定労働時間・所定労働日数なら、パートタイマーであっても週30時間以上かつ月15日以上の人は加入しなければならないことになります。これを「4分の3基準」といいます。

○社員が減って500人以下になったら?

退職などにより従業員が減って500人以下になった場合でも、一度「特定的代事業所」になったのが取り消されることはありません。

ただし500人以下になり、事業主が従業員の4分の3 以上 の同意を得て申し出たときは脱退する(特定適用事業所でなくなる)ことができます。

○501人以上の企業は週20時間以上のパートにも適用

4分の3基準を満たさないパートタイマーはこれまで社会保険の対象外でしたが、法改正により昨年10月から適用が拡大されています。

ただし、すべての企業のすべてのパートタイマーというわけではありません。10月から適用拡大されたのは厚生年金の被保険者501人以上の企業(特定適用事業所)に勤めるパートタイマーで、以下の4つの要件を満たす人だけが加入対象となります。

特定適用事業所に該当する可能性がある企業には日本年金機構からお知らせが届きます。

501人以上の特定適用事業所 500人以下の事業所
4分の3基準を満たすパートタイマー 加入 加入
4分の3基準を満たさず
1~4すべてを満たすパートタイマー
加入 ×対象外

500人以下に減少

加入

2分の1以上の同意

加入
4分の3基準を満たさないパートタイマーが社会保険に加入する条件
  • 1. 所定労働時間が週20時間以上
  • 2. 1年以上雇用が見込まれる
  • 3. 賃金の月額が8.8万円以上
  • 4. 学生でない
○500人以下の企業は労使の合意によってパートも適用

もともと500人以下の企業の場合は、10月の法改正後も4分の3基準を満たさないパートタイマーについては社会保険が適用されません。

しかし、今年4月より新たな制度が始まり、労使の合意があれば500人以下の企業のパートタイマーにも社会保険が適用できるようになりました。従業員の2分の1以上※と事業主で合意して申し出る必要があります。

なお、加入するのは500人以上の場合と同様に上の①~④を満たすパートタイマーです。希望者だけ加入するといった方法は認められません。

○一度適用されたらもう辞められない?

この申し出が受理されると、その後はずっとパートタイマーにも社会保険が適用されることになります。

ただし、その後の事情変更により従業員の4分の3以上※の同意を得れば、脱退することができます。

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