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「就業規則」は経営上二の次になりがちです。今回は、就業規則の活かし方をご説明していきたいと思います。
就業規則とは、労働者の働き方についてのルールブックです。もう少し正しく言うと、使用者が会社経営において定める職場の規律や労働条件に関する規則をまとめたものです。
労働者を1人でも使用するには、労働時間、労働日、給料、定年など、実に多くのことを決めておかなければなりません。これを決めずに働かせれば、労働者が不満に思ったり、トラブルになることがあるからです。労働者の労働条件を整理する上でも、就業規則の作成は有意義です。
労働基準法により、常時10人以上の労働者を使用する場合は、就業規則を作成し、労働基準監督署へ届け出るよう義務付けられています。ただし、規模が10人未満の使用者は義務がないから作成しなくてもよいとは言えません。
労働者を1人でも使用するには、労働時間、労働日、給料、定年など、実に多くのことを決めておかなければなりません。これを決めずに働かせれば、労働者が不満に思ったり、トラブルになることがあるからです。労働者の労働条件を整理する上でも、就業規則の作成は有意義です。
欧米のような契約社会では、分厚い雇用契約書を作成しますが、終身雇用を前提としてきた日本では、個別の雇用契約書にはあまり多くのことを書きません。代わりに就業規則を定め、これを労働条件の基本として運用してきたのです。そのため、最高裁の示した凡例でも、合理的な労働条件を定めた就業規則の法律上の効力を認めています。
例えば、新たに採用した労働者が、就業規則の内容をあまり注意して読まずに労働契約書にサインしたとしても、就業規則の内容に合意したことになり、その内容に従う必要が生じてくるのです。
例えば、「素行不良の者を懲戒処分にする」、「私傷病による休職者を期間満了で退職させる」などは、就業規則などの定めがなければおこなうことはできません。義務かどうかではなく、積極的に作成することが、経営上求められているのです。
ただし、せっかく就業規則を作成しても、社長の机の引き出しに大切に保管しているだけでは意味がありません。作成した就業規則を労働者に周知して初めて法的効力が生じるのです。