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スッキリわかる健康保険-3 ~一人暮らしの兄が失業。扶養に入れられることはできる?~

一人暮らしをしている兄が失業してしまいました。私は学生の妹を扶養に入れていますが、兄も扶養に入れられることができますか?

平成28年10月1日より兄姉の同居要件が廃止されているため、一人暮らしをしているお兄さんでも扶養に入れられることは可能です。ただし、お兄さんが退職後、失業給付を受給する場合は、受給額によって扶養に入れられることができない場合もあります。

○扶養になれる人とは?

被扶養者になれるかどうかは2つのグループに分けて判断されます。

①主として被保険者に生計を維持されている以下の人(同居不要)
  • 配偶者(内縁関係含む)
  • 被保険者の父母、祖父母などの直系尊属
  • 子、孫、兄弟姉妹

「主として被保険者に生計を維持されている」とは、被保険者の収入によりその人の暮らしが成り立っていることをいいます。

②主として被保険者に生計を維持されており、被保険者と同居している以下の人
  • 上記の人を除く3親等(配偶者の父母、伯父叔母、甥姪とその配偶者など)
  • 内縁関係の配偶者の父母及び子(その配偶者の死後、引き続き同居する場合も含む)

兄姉については、これまで②のグループ、つまり被保険者と同居している場合に限って被扶養者となることができ、同居要件が不要である弟妹との間に差がありました。しかし、平成28年10月1日より兄と姉も同居不要となっています。ですから、ご質問のように一人暮らしをしているお兄さんや介護施設等に入所している兄姉でも、生計維持関係があれば扶養に入れられることができます。   なお、75歳以上の父母や祖父母など後期高齢者医療制度の被保険者は被扶養者にはなれません。

○扶養になれる人とは?

被扶養者となるには「主として生計を維持されている」ことが必要ですが、これは次の基準で判断されます。

年間収入が130万円未満(60歳以上または障碍者の場合は180万円未満

  • 同居の場合:被保険者の年間収入の半分未満(下図参照)
  • 別居の場合:被保険者の仕送り額未満

※年間収入が半分以上であっても、被保険者の年間収入を上回らない場合、被扶養者となることがあります。

年間収入とは、所得税のように1月から12月までの収入ではなく、申請時より先1年間の見込み収入額のことをいいます。月額にすると108,333円以下です。収入には通勤手当も含まれます。また、賃金だけでなく雇用保険の失業等給付、公的年金、健康保険の傷病手当金や出産手当金も収入となります。

ご質問のケースでは、お兄さんは失業中ということですから給与はゼロですが、失業給付を受給するかもしれません。失業給付の場合、日額が3,6112円を超えると扶養に入れられることができないとされています。ただし、日額が3,612円を超えていても、失業給付の受給が終われば被扶養者とできる可能性はあります。

○被扶削除の手続きも忘れずに

被扶養者の年間収入が増えた場合など、要件を満たさなくなったときは、被扶養者から外れることになります。その際は、扶養削除の手続きが必要です。

○年収130万円未満でも…

平成28年10月より、パートタイマーに対する社会保険の適用拡大※が始まります。従業員の被扶養者となっている人が、勤務先で社会保険に新規加入した場合も削除の手続きをおこなわなければなりません。

※従業員数が500人超の会社で1年以上雇用される見込みがあり、週の所定労働時間が20時間以上かつ賃金月額が8.8万円以上(学生を除く)の短時間労働者が新たに加入することになります。新たな社会保険の適用基準では、被扶養者の年収が130万円未満であっても、扶養から外れて社会保険に加入するケースが出てくるので注意が必要です。

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