「非正規雇用労働者育成奨励金」について
健康、環境、農林漁業分野等において、雇用する労働者に対して、一定の職業訓練等を実施した事業主に対して奨励金を支給する日本再生人材育成支援事業がスタートしました。
その日本再生人材育成支援事業の中からもっとも大きな注目を集めるであろう非正規雇用労働者育成奨励金について取り上げます。今回新設された非正規雇用労働者育成奨励金はOJT実施で1人1時間当たり700円が支給されます。
- (1)内容
- 有期契約労働者等に対し、一般職業訓練(Off-JT)または有期実習型訓練(Off-JT+OJT)を行った場合に、賃金および訓練経費について助成される。
- (2)支給額
- 1訓練コースにつき以下の額が支給されます。( )内は大企業の額。
- Off-JT分の支給額
- 賃金助成・・・1人1時間当たり 800円(500円)
- 経費助成・・・1人当たり 30万円(20万円)を上限
- OJT分の支給額
- 実施助成・・・1人1時間当たり 700円(700円)
- ※1年度1事業所当たりの支給限度額は500万円
- (3)対象事業主
- 健康、環境、農林漁業分野等の事業を行っており、キャリアアップ管理者を配置したうえで、キャリアアップ計画・職業訓練計画を作成して訓練を実施した事業主
※対象分野には、医療・介護、情報通信業、建設業の一部、製造業の一部などが含まれる。
- (4)助成金の対象となる経費は
- 事業外訓練〜事業主以外が企画し主催するもの
- 受講に際して必要となる入学料、受講料、教科書代など (国や都道府県から補助金を受けている施設の受講料や受講生の旅費 などは支給対象外)
- 事業内訓練〜事業主が企画し主催するもの
- 外部講師(社外の者に限る)の謝金・手当(所得税控除前の金額。旅費・車代・食費・宿泊費などは対象外)
- 施設・設備の借上料(教室、実習室、マイク、ビデオなど、訓練で使用する備品の借料で、支給対象コースのみに使用したことが確認できるもの)
- 学科または実技の訓練に必要な教科書などの購入または作成費(支給対象コースのみで使用するもの)
今回、業種は限定されるものの、非正規従業員の人材育成にとって有効な奨励金制度が出てきました。こうした奨励金をうまく活用しながら、従業員のレベルアップを図っていきましょう。