M&Aロゴ

未払い残業代を精算支給した場合の所得税の取扱い

−残業代の追加支給があった場合−

Q1
 過去3年間の実労働時間に基づく残業手当と実際に支払った残業手当との差額を、本年一括して支払うこととしました。この場合、残業手当の課税年分はいつになりますか?

A1
本来各支給日に支払うべき残業手当が一括して支払われたものと認められますので、本来支給すべきであった支給日の属するそれぞれの年分の給与所得となります。なお、給与規程等の改訂が過去に遡って実施されたため、残業手当の差額が一括支給されるような場合には、その差額について支給日が定められているときはその支給日、支給日が定められていないときはその改訂の効力が生じた日となります。

−払い過ぎた給与の返還を受けた場合−

Q2
 従業員に支給した昨年分の給与計算に誤りがあり、給与を払い過ぎていたことが判明しました。この払い過ぎた給与についての返還を本年に受けましたが、返還を受けた給与は、いつの年分の収入金額を減額すればよいですか?

A2
昨年分の給与の収入金額を減額します。返還を受けたのは本年ですが、昨年の本来の支給日において給与を払い過ぎていたことによる給与の返還ですので昨年分の給与の収入金額を減額します。

未払い残業問題が発生した場合には、その支払いはもちろんのこと、対応や事務手続き等の業務が発生します。まずは労働時間管理を適正に行い、未払い残業支払いのリスクをできる限り低くすることが企業に求められます。 また、今後の労働基準監督署の是正勧告対応に大きな影響を与えそうな内容として「労働基準監督官が、労働基準法上、同法に違反して支払われていない賃金の支払を命ずる権限を有していない」という見解も示されました。

Copyrights 2008-2009 M&A Allright reserved.